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リフォーム時に必要な解体工事とは?内容や注意点を解説

2023年08月16日

住宅や施設をリフォームする際、既存の間仕切りや設備を取り除く必要があるため、内容に応じた解体工事が必要です。

解体工事と聞くと、建物を丸ごと取り壊すイメージがあるかもしれません。しかし部分的なリフォームでは、建物の基礎や柱を損傷させないよう注意し、不要な箇所のみを解体する場合もあります。

この記事では、リフォーム時に行なわれる解体工事や、解体工事をする際の注意点を解説しています。解体工事の予定がある方は、参考にしてください。

リフォーム時に必要な解体工事とは?内容や注意点を解説

リフォーム時に行なわれる解体工事とは

解体工事には、いくつか種類があります。リフォームの際に、どのような解体工事が行なわれるかを解説します。

建物を更地にする解体工事

建物を更地にする場合の解体工事では、建物部分を丸ごと取り壊し、基礎部分も残さず撤去します。解体した建物の建材や設備は基本的に廃棄処分するため、損傷を気にせず取り壊せるのが特徴です。

空き家を取り壊して更地にしてから売却したいときや、建物を建て替える際の解体工事が該当します。また、建物本体とは離れた場所に独立して立っている倉庫や家屋のみを取り壊し、庭や駐車スペースを作るようなリフォームでも、この解体工事が必要です。

内装をリフォームする解体工事

内装をリフォームする場合の解体では、基礎部分や柱などの構造は残し、リフォーム内容に応じた範囲を解体します。取り壊して撤去する部分・残してリフォーム後も使う部分を区別し、残す箇所を損傷させないための配慮が必要です。

そのため、建物を更地にする場合の解体工事よりも手間がかかり、工期や費用を多く要するケースもあるでしょう。

リフォーム内容によっては、建物を利用しながら解体からリフォームまでを行なうこともあります。住宅の部分的なリフォームや商業施設の店舗入れ替えなどが、このケースに該当します。

建物を利用しながらの解体工事では、利用する人への配慮も必要です。解体工事で発生するホコリやゴミ、音、振動などへの対策が不十分だとトラブルの原因にもなります。

スケルトン工事と原状回復工事

賃貸物件のリフォーム工事では、スケルトンや原状回復といった解体工事もあります。

スケルトン工事は建物の骨組み部分のみを残し、何もない状態にする解体工事です。一方、原状回復工事は退去時に、物件を入居前の状態に戻す工事です。

入居前の状態がスケルトンだったなら、原状回復ではスケルトン工事によって、設置した間仕切りや設備、配線などを解体・撤去します。この場合は、スケルトン工事が原状回復工事に相当します。

入居前の状態がスケルトンでなかった場合は、入居後に変更した間取りや配線、追加した設備などの解体工事だけでなく、入居前と同じ状態に戻す工事も原状回復として必要です。

リフォームで解体工事をする際の注意点

リフォームで解体工事をする際は、依頼する業者と十分な打ち合わせを行ない、近隣へ事前の挨拶回りをして、片付けも済ませておくことが大切です。

また、場合によっては部分解体できないケースもあり、個人宅の解体であっても、石綿の事前調査が義務化されている点に注意しましょう。

依頼する業者とは十分に打ち合わせる

解体工事を依頼する際は、業者と十分に打ち合わせを行ない、認識をすり合わせておきましょう。

・解体工事を実施する範囲

・解体工事にかかる費用

・解体工事の作業時間・日数

・業者が出入りする場所

・解体工事中に危険な箇所はないか

以上の事柄などを打ち合わせ、不明点があれば都度、確認します。

とくに、自宅のリフォームで住みながら行なう解体工事では、生活環境の安全とプライバシーを守るためにも重要です。

事前に近隣への挨拶回りをしておく

解体工事やその後のリフォーム工事では、周辺住居や施設に影響を与えるケースもあります。

多くの場合、工事作業中の近隣トラブルを避けるため、解体工事業者やリフォーム工事業者は周辺へのお知らせや挨拶を行ないます。可能なら業者だけに任せず、工事を依頼する施主本人も近隣への挨拶回りをしておきましょう。

解体工事前に片付けを済ませておく

解体工事に入る間に、取り壊す建物内やその周辺に余計なものがない状態に片付けておきます。部分的な解体工事でも業者が出入りする場所に不要なものがあると、作業を妨げる要因です。

思わぬ事故やトラブルにつながるケースもあるため、解体工事の前には片付けを行ないましょう。

構法によっては部分解体できないケースもある

リフォームで室内の間取りを変えたくても、建物の構法によっては部分的な解体工事ができないケースもあります。

たとえば、壁が建物を支えている壁式構造では、取り除けない壁も存在します。間取りの変更や開口部分に制限がかかり、解体工事で壁を取り除きたくてもできない場所もあるでしょう。

希望通りの施工ができるかは、解体工事やリフォーム工事を依頼する業者へ事前に確認しましょう。

個人宅の解体工事でも石綿の事前調査が義務化されている

2022年4月から、石綿の事前調査結果の報告制度がスタートしています。建物などを解体・改修する施工業者に対し、解体する建物にアスベストが使われていないかの調査・報告が義務づけられています。

基本的に事前調査や報告は解体業者側が行なうことですが、もしも法令を守らない業者に解体工事を依頼すると、のちのちトラブルになりかねません。解体工事は、信頼できる業者へ依頼しましょう。

まとめ

解体工事は建物を丸ごと取り壊して更地にする場合だけでなく、部分的なリフォームの際も不要箇所を取り除くために行なわれます。

リフォームで解体工事を依頼する際は、業者との事前打ち合わせを密にし、近隣への挨拶回りもしておきましょう。解体工事に入る前には片付けを済ませ、工事作業の妨げとならないようにすることも重要です。

建物の構法によっては、部分的な解体ができない箇所も存在します。リフォームの計画を立てる際は業者とも確認し、実現可能なプランをお願いしましょう。

また、個人宅の解体工事であっても、石綿の事前調査が義務化されています。解体工事の依頼は必要な事前調査をしっかり行なう、信頼できる業者に頼みましょう。