お役立ちコラム

介護部屋のレイアウトや部屋の場所・広さなどについて詳しく解説!

2023年08月10日

介護を受ける高齢の方にとって、ご自身の部屋は1日の多くを過ごす大切な場所です。
転倒などの不測の事故を防ぐのはもちろん、なるべく快適に生活できるように工夫する必要があります。

同時に介護をするご家族にとっても、快適で少しでも負担が軽減されるのがポイントとなります。
環境が整えば、お互いの負担も減らせるのです。

そこで今回は、介護部屋のレイアウトや介護部屋にするのに最適な場所について解説します。
必要な部屋の広さや、ベッドに関するポイント、安全性を高めるポイントについてもご紹介します。

介護部屋のレイアウトや部屋の場所・広さなどについて詳しく解説!

介護部屋のレイアウトは個人の意思を配慮する

介護する側は、介護がしやすいように配置を工夫しますが、介護される側は1日中ベッドの上で過ごすケースも多いものです。
換気のよい部屋や、窓があり外を感じられる部屋、1人で寂しくないように家族を感じられる部屋なども検討に入れレイアウトを考えましょう。

また、介護される高齢の方の「トイレは自分で行く」などの主張は尊重しましょう。
その際は、トイレまでの導線や車椅子のスペースなども十分に考慮する必要があります。

介護部屋に最適な場所の選び方

介護をする部屋は、事故のリスクを避けるためにも1階が望ましいです。
浴室やトイレ、キッチンなどの水回りも1階にあるご家庭が多いため、介助を行いやすくなるでしょう。

そのほかにも望ましい条件がいくつかあります。
ここからは最適な介護部屋の場所について解説します。

部屋とトイレの距離

高齢になると腎臓や膀胱機能の低下により、夜中にトイレに行く回数が多くなる傾向があります。
そのため、夜中にトイレに行きやすいよう、トイレの近くに高齢者の部屋を用意しましょう。

寝室からトイレの距離を短くすれば、移動時に事故のリスクも減ります。
移動距離が短ければ高齢者が自力でトイレに行けて「自分1人でトイレに行ける」と自信にもなるでしょう。
また、時間や家族に気兼ねなくトイレに行けます。

日当たりや景色

部屋の日当たりは介護部屋づくりで重要です。
日当たりがよいと昼夜の区別もつきやすく、高齢者の健康や気分の向上につながります。
窓から外が見渡せる1階の部屋が気分転換がしやすく最適です。

窓やカーテンの配置に注意して部屋づくりを行いましょう。

風通しのよさ

排泄介助が必要な高齢者の方の場合は、換気にも十分配慮する必要があります。

空気清浄機などを使用するのもいいですが、定期的に部屋の窓を開けて空気の入れ替えを行いましょう。

また、閉鎖的な空間では空気が滞り、気分が落ち込んだり感染症のリスクも上がったりします。
新鮮な空気を取り入れ室内を清潔に保ちましょう。

介護部屋のレイアウトのポイント5選

高齢者の居住環境をどう整備するかで、在宅介護生活の質は大きく変わります。

親が急に倒れて急に在宅介護になった場合、環境を整える時間が十分に取れない場合があるでしょう。
介護部屋づくりを最低限押さえておくためのポイントを5つご紹介します。

1.ベッドの置き場所

一般的には、部屋にベッドを設置する場合は、部屋の隅に配置し部屋を広く使えるようにします。

しかし介護ベッドでは、利用者の要介護度によっては、介護者がベッドのまわりを移動する必要があります。
その場合は、壁からベッドを十分に離さなければなりません。

また、高齢者が車椅子を利用する場合は、ベッドのすぐそばまで車椅子がつけられるようにしておくと、介護する側にとっても負担が軽減するでしょう。

2.部屋の広さ

部屋の広さは、広ければいいわけではありません。

広過ぎる場合は、部屋の中の移動をはじめ、トイレに行くたびに長い距離を歩くので、転倒のリスクが高まりますし、疲れてしまいます。

一方で狭過ぎる部屋で長時間過ごすと、窮屈で閉鎖的に感じてしまい精神的にもよくありません。
介護ベッドを設置する点を加味すると、6畳〜8畳程度が平均的といえます。

3.照明の選び方

高齢になると視力が低下するのは避けられません。
そのため、高齢者の寝室はほかの部屋の1.5倍程度の明るさが必要です。

とはいえ、まぶしさにも敏感になるので、明る過ぎないように注意しましょう。
天井からのメインの照明以外に、フロアスタンドや間接照明を用いると、光が分散されてまぶしさが抑えられます。

寝室以外にも夜中の廊下にも注意が必要です。
高齢者は明るい場所から暗い場所に移動した際に、目が慣れる時間が若い方よりも必要です。
高齢者が夜中に通る廊下は、寝室と同様の明るさの照明に変更しましょう。

4.部屋の色調

高齢になると、目の水晶体が変化し、全体的に黄色がかって見えるときがあります。
また、暗い場所では青系の色が見にくいです。

部屋全体を落ち着いた色調にすると、高齢者はリラックスでき、安心感につながります。
壁紙やカーテン、家具などの色調も合わせましょう
段差には赤などの鮮やかな色を使えばリスクの軽減になります。

柔らかな色彩や自然光の取り入れ方にも注意して部屋の雰囲気を整えましょう。

5.安全性の重視

在宅介護を行う部屋は、まず安全性を考えなくてはなりません。
床は滑りにくい素材を使いましょう。
カーペットは、つまずく可能性がありますので、転倒事故のリスクを減らすためにも敷かないほうがよいです。

また、手すりを設置するなど、高齢者の安全を最優先に確保する対策が欠かせません。

まとめ

部屋のレイアウトや生活環境を整えるのは、要介護者の生活のクオリティを高めるためにも欠かせません。

生活の中心がベッドになるケースも多く、今まで使用してきたベッドや布団が今後も使い続けるのに適しているのか、また介護する方にとっても介護しやすいのかの見直しも重要です。

介護するご家族の方と介護を必要とする方の両方が、心身の負担を軽減し少しでも快適に暮らせるお部屋づくりを行いましょう。